腸内細菌、整腸剤

腸内の話

何らかの理由で腸内細菌叢のバランスが崩れると下痢や便秘、腹部膨満感といった症状がでます。

このような腸内細菌叢のバランスを整えるために使用するのが整腸剤です。

整腸剤の使いわけのエビデンスは確立されていないのですが、菌種で消化管部位に対する親和性や抗菌薬に対する耐性の有無などに違いがあり、これらの特徴に応じて使いわけられているようです。

調べてみました。

☆整腸剤は、大きく生菌製剤と耐性乳酸菌製剤にわけられます

 〇生菌製剤・・・腸内菌叢の異常による諸症状の改善

 〇耐性乳酸菌製剤・・・抗生物質,化学療法剤投与時の腸内菌叢の異常による諸症状の改善

今回は生菌製剤の方の話をします。

生菌製剤に含まれる菌種にはビフィズス菌、乳酸菌、酪酸菌、糖化菌があります。

ちなみに、私たちの腸に棲みついている腸内細菌は、1,000種類以上。それらすべては無秩序に混在しているわけではなく、それぞれ自分たちに適したエリアに集団となって棲んでいます。

適したエリアとは?

環境の酸素の有無です。

腸は長い1本の管ですが、口に近い腸の上側は酸素が多く、下に行くほど酸素が少ない環境になっています。つまり、酸素を欲しがる細菌は口側の腸に。反対に酸素を苦手とする細菌はお尻側の腸に棲みつきます。

〇ビフィズス菌(ヨーグルト、など)

偏性嫌気性菌です(大気レベルの濃度の酸素に暴露することによって死滅してしまいます)

酸素の少ない小腸下部から大腸にかけて増殖し、乳酸および酢酸を産生します。

有害菌増殖抑制作用、腸管運動促進作用があります。

〇乳酸菌(ヨーグルト、納豆、漬物など)

通性嫌気性菌(酸素の有無に関わらず発酵または嫌気呼吸でエネルギーを獲得します)

小腸から大腸にかけて増殖し、乳酸を産生します。増殖性ならびに乳酸生成能が高く、有害菌の発育を阻止することにより、腸の粘膜を保護します。

〇酪酸菌(ぬか漬けなど)

偏性嫌気性菌です

食物繊維を分解することで酪酸を産生し、大腸で増殖する性質があります。

有害物質を作り出す悪玉菌の発育を抑制する働きがあり、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が棲みやすい腸内環境を整えてくれます。

酪酸は、肥満予防効果や免疫機能を整える効果があります。

〇糖化菌(納豆菌など)

偏性好気性菌です。

小腸上部より増殖を始め、アミラーゼを産生し、デンプンを糖へ分解する働きがあります。そのためデンプンを分解できない乳酸菌の増殖を促進する働きがあります。

腸内の環境に応じて、単体で接種がいいのか、組み合わせて接種がいいのか分かれてきそうですね。

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