糖化とは、たんぱく質や脂質が糖と結びつくこと
血液中に余分な糖分があると、体内のたんぱく質や脂質と結びついて変性させ、老化促進物質であるAGE(糖化最終生成物)を作り出します。
ホットケーキのこんがりと焼けて褐色になっている状態も糖化の一例です。
ホットケーキに含まれる「砂糖」が、卵や牛乳などの「たんぱく質」と結びついて変性しているのです。
これが体の中で起こっているとイメージしましょう。
糖化によって肌のハリを保つコラーゲン繊維が破壊され、肌は弾力を失ってしまいます。
また、糖化によって生み出された老廃物が皮膚の細胞に沈着し、シミやくすみとなって肌の透明感が失われます。
糖化が血管や内臓に影響を与える
さらに深刻です。血管の組織が糖化によってもろくなると血管壁に炎症が起こりやすくなってしまうので、動脈硬化となるリスクが高まります。動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクも高まります。
また、腎臓は体内を巡って老廃物を含んだ血液をろ過して尿を作ってくれています。
ろ過する膜はたんぱく質でできていますから、これが糖化してフィルター本来の働きを失ってしまうと腎機能を低下させてしまいます。
その結果、血液中のたんぱく質が尿に漏れ出すことで、尿たんぱくの症状が出てしまいます。
さらに骨では骨粗鬆症、目ではドライアイや白内障、網膜症なども、糖化が引き起こしていると言われています。
また、肝臓に入って肝臓内の酵素の働きで、一部はグリセリドという中性脂肪に変化し、さらに一部はブドウ糖へと変化します。グリセリドは脂肪細胞へと送り込まれますから、肥満の原因にもなります。
糖は生命を維持するエネルギー源である
一方、余分な糖は糖化を引き起こし、生体内に様々なトラブルを引き起こします。
私たちが生きていく上で糖化を全く起こさないことはもちろんできませんが、果糖の接種量を減らしたりする努力をすることで、リスクを下げていくことはできます。
糖化のサイン「空腹感」
糖化が進んでいるということを判断できる兆候があります。それは、「食後2時間ぐらいで空腹感を感じる」場合です。
晩御飯をしっかり食べたのに夜寝る前にお腹が空いてしまい、またお腹いっぱいに食べてしまったなんてことあったら気を付けましょう。
普段の健康診断で問題が見当たらなくても、食後2時間くらいでお腹が空く場合は、注意をしましょう。
血糖が下がった時、まず最初に体に起きる兆候は「空腹感」です。
低血糖は生体にとっての危険信号ですから、「何か食べましょう!!」、という身体からのシグナルを出してくるのです。
空腹で血糖値が低いときほど、体は栄養を吸収しようとしています。
この時、甘いお菓子や、手軽な菓子パンやファーストフードなどに手を出せば、血糖値は急上昇します。耳の痛い話です・・・
血糖値の乱高下
先ほどのような食事をすると、体内のブドウ糖を代謝するためにインスリンが大量に分泌されて、一挙に処理します。
その結果、インスリンの作用によって体は再び低血糖、空腹の状態に逆戻り。
この血糖値の乱高下が糖化促進を起こします。
急激な血糖値の上昇とインスリンの大量分泌を交互に何度も何度も繰り返すと、糖化が過度に進行してしまい、インスリンの効果が効かなくなってしまいます。
これはインスリンを生成している膵臓にあるランゲルハンス島のなかにあるベータ細胞が破壊されてしまうからです。
このインスリンが効かない状態を「インスリン抵抗性」と言い、糖尿病をはじめさまざまな病気を引き起こします。
糖化リスクを減らすために、食物繊維の豊富な食事を朝昼晩にゆっくりよく噛んで食べ血糖値の上昇を緩やかにしてあげることが大切です。