どのストレッチをいつやるか。調べてまとめてみた

どのストレッチをいつやるの

世の中でストレッチというと、こちらでも時々紹介する、目的の筋肉を伸長させて一定の所で保持させるというものが知られていると思います。これを「静的ストレッチ(スタティックストレッチ)」といいます。

じつは世の中にはそれ以外のストレッチもあります。
使い分けて、うまく身体をケアしていきましょう。

まず、「静的ストレッチ」
よいという説に対して、やってはいけないという説も実はあります。

デメリット
静的ストレッチはゆっくりと筋や腱を引き伸ばし、関節可動域の限界あるいは限界近くで一定時間保持する方法です。
これによる力学的な変化は、筋や腱の弾性の減少により筋の収縮力が低下したり、腱から骨へのカの伝達効率が低下することに由来するがデメリットと考えられています。
筋肉というのは関節をまたいで骨について、縮むことで力を発揮します。その長さが長すぎても短すぎてもダメなのです。本来の力を発揮できる状態は、適度にハリのある状態です。伸びすぎたゴムのようになっては縮んでも力が入りません。しかも、過度に伸ばしてしまうと繊維を傷つけてしまうこともありますし、(だから痛くない範囲で伸ばしてほしいのです)最大の出力が出せる筋肉の長さが変化してしまうため、いつもの動きでは逆に力が抜けて(力が入りづらく感じる)しまいます。これがパフォーマンス低下の一因といわれています。

運動前に限らず単一の筋肉に対する静的ストレッチの伸張時間は20秒から30秒程度が望ましいとされています。これはストレッチの伸張時間が柔軟性に及ぼす影響を検討し、30秒 のストレッチとそれ以上長い伸張時間のストレッチとでは柔軟性の改善効果に差がなかったことを示した研究結果から導き出されています。そして、筋力の低下は60秒以上のストレッチのみに観察されたことが各書で報告されています。
逆にいえば、伸ばしたいのであれば60秒以上必要ということだと思いますが、伸ばす時間を長くすれば力が入りにくくなるということを表しています。じっくりストレッチをした後、動かそうとするとなんだかだるいときありませんか??

一部の研究結果では30秒のストレッチでも筋出力低下が認められると書かれています。ややこしいですが、この研究の中身は30秒ストレッチを6セット(合計180秒)行っているようです。

スポーツ選手の場合、静的ストレッチを行った後ジョギングなどの有酸素運動を入れ、その後行うスポーツに適した運動を取り入れた場合、筋出力の低下は相殺できるとのこと。

ダイナミックストレッチがパフォーマンスに及ぼす影響
ダイナミックストレッチはターゲットとなる筋群の拮抗筋群を意識的に収縮させ、関節の曲げ伸ばしや回旋などを行うことで筋や腱を引き伸ばしたり、実際のスポーツあるいは運動をシミュレートした動作を取り入れることでそれぞれの動きに特異的な柔軟性を向上させた、利用される筋群間の協調性を高めることができる方法と考えられている。これらのことから、近年ではパフオーマンスの向上に有効なストレッチとして運動前に利用されるようになりました。
実際に、ダイナミックストレッチがパフォーマンスに及ぼす影響について検討した研究では、これまで挙げてきたストレッチの方法とは異なり、パフォーマンスの低下は認められず、大半の研究においてパフォーマンスの向上効果が確認されています。
ダイナミックストレッチは他のストレ ッチに比べ、身体を十分に動かしながら実施することから、筋温ならびに深部温を上昇させる効果があると考えられます。また、これから行う運動をシミュレートした動作が取り入れられることから、実際に運動で利用される筋肉の活動水準を高めたり、動きをスムーズにする効果もあると考えられます。さらに、特異的な柔軟性の改善や筋群間の協調性の高まりと併せてパフォーマンスを改善させることが考えられます。

スタティックストレッチとダイナミックストレッチを組み合わせたプロトコルがパフォーマンスに及ぼす影響については僅かながら検討されていて、ダイナミックストレッチによるパフォーマンス向上効果への相乗効果はないこと、相殺する可能性があることが報告されています。これらのことから、筋機能の向上や瞬発的なパフォーマンスの改善が成績に直接反映されるような競技種目の選手に対しては、用いるメリットがあると思います。ただし、ダイナミックストレッチを用いる前提として、部位を傷害していないこと、疲労が蓄積していな いことが必要です。また、ダイナミックストレッチに不慣れな場合には、はじめにゆっくりと大きく動かすことを意識してダイナミックストレッチの動きに十分に慣れてから、徐々に 速度や強度を高めていけば効果が大きいと思います。
また、運動前ではなく、運動中や運動後のストレッチの効能として、筋疲労をはじめとす る疲労を軽減する効果が挙げられます。実際に疲労が蓄積するような激運動のインターバ ル中にスタティックストレッチを実施することでパフォーマンスが改善することが明らか となっています。疲労蓄積の少ない単発の運動については、インターバル中にスタティックストレッチを実施してもパフォーマンスを改善させないことも報告されています。したがって、運動中のストレッチについては、運動の強度や疲労の蓄積の度合いに応じて、スタティックストレッチを行うか否かを検討する必要があり、仮に疲労が蓄積していない状況であれば、ダイナミックストレッチを利用しても良いのかもしれないです。また、運動後のストレッチングに関して、運動時の利用によって高まった筋の活動水準を下げたり、収縮を繰 り返し緊張した筋を元の状態に近づけるなどの効果を期待し、スタティックストレッチングを用いることは有効であると考えられています。

全身の筋肉の緊張がバランスよくなれば、必然的に骨は元の場所に戻っていきます。これにより楽に動けるようになっていきます

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