正しい知識と適切な応急処置、予防法
熱中症は、高温多湿な環境下で体温調節機能がうまく働かなくなり、様々な症状を引き起こす状態の総称です。
最悪の場合、命に関わることもあります。
このページでは、信頼できる情報源に基づいた熱中症の正しい知識と、万が一の際の適切な対処法を解説します。
熱中症の症状と重症度分類
熱中症は、その症状によって重症度が分類されます。
- Ⅰ度(軽症): めまい、立ちくらみ、大量の発汗、筋肉痛(こむら返り)。意識ははっきりしています。
- Ⅱ度(中等症): 頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、集中力や判断力の低下。
- Ⅲ度(重症): 意識障害(返事がない、呼びかけに反応しない)、けいれん、全身の熱感。重篤な状態であり、命に関わります。
【重要】熱中症が疑われる場合の応急処置
熱中症は、早期の適切な処置が非常に重要です。
- 涼しい場所へ移動:エアコンが効いた室内や風通しの良い日陰など、涼しい場所へ避難させます。
- 体を冷やす:衣服をゆるめ、体温を下げるために首、脇の下、太もも内側の付け根など、太い血管が通っている部分を冷やしたタオルや氷嚢などで冷やします。
- 水分・塩分補給:意識がはっきりしている場合は、水分と塩分を同時に摂取できる経口補水液やスポーツドリンクを少しずつ飲ませます。
【最重要】すぐに救急車を呼ぶべきケース
以下のいずれかの症状が見られる場合は、直ちに救急車(119番)を要請してください。
- 意識がない(呼びかけに反応しない)
- 自分で水分補給ができない
- けいれんを起こしている
- 体の熱感が強く、触れると熱い
- 全身がぐったりしている
どうしたらよいかわからない時は、#7119に電話して相談すると安心です。
熱中症の予防法
熱中症は予防が最も重要です。
- こまめな水分補給:のどの渇きを感じなくても、こまめに水分を摂取しましょう。
- 塩分補給:大量に汗をかいた場合は、塩分も一緒に補給しましょう。
- 服装の工夫:通気性の良い、吸湿性の高い素材の服を選びましょう。
- 日中の外出を避ける:気温の高い日中は外出を控える、あるいは日傘や帽子を活用しましょう。
- 室内でも注意:室内でも熱中症になることがあります。扇風機やエアコンを適切に使い、室温をこまめにチェックしましょう。
監修者と参考文献
このページの情報は、以下の公的機関および専門家の情報を参考に作成しています。
参考文献
- 厚生労働省: 熱中症予防のための情報・資料サイト
- 総務省消防庁: 熱中症情報
- 日本救急医学会: 熱中症に関する情報およびガイドライン
※免責事項
本記事は熱中症に関する一般的な情報提供を目的としており、医療的な診断や治療を代替するものではありません。体調に異変を感じた際は、自己判断せずに医療機関を受診してください。