漢方薬には副作用が無いと思っている人もいます
しかし薬である以上多かれ少なかれ副作用はあります。
使用量・頻度、西洋薬との飲み合わせ、ドーピング違反など注意が必要です。
代表的なもの
1 小柴胡湯による薬剤性間質性肺炎
風邪症状、副鼻腔炎、咽頭炎、気管支炎など幅広く処方される小柴胡湯です
もともとは慢性肝炎に対して肝障害抑制作用や、肝再生促進作用が基礎研究で認められていたため使用されていましたが、漫然投与されていた患者から間質性肺炎が発症し、複数が死亡するという報告が1990年代にありました。
効果のある薬ではあるのですが、経過をしっかり追いながら使用することが大切なようです。
なんとなくいつも処方されている方は自分の体調の変化に気を付けましょう。
使用により発熱、咳嗽、呼吸困難などが現れてたら直ちにかかりつけ医に連絡をしましょう。
禁忌
慢性肝炎でインターフェロン使用中の患者、肝細胞癌、肝硬変症、間質性肺炎の発症頻度を増大させる恐れがあるため禁忌です。
2 甘草配合方剤による偽性アルドステロン症
カンゾウが配合されていると、尿細管でのカリウム排泄を促進します。
多用したり使い続けると、低カリウム血症・浮腫・血圧上昇などを引き起こします。
身体の状態を確認しながら使用をすることが大事です。芍薬甘草湯・葛根湯などが有名です。
3 麻黄配合方剤による血圧上昇
麻黄にはエンドルフィン(モルヒネのような働きをする成分)が含まれているので、抗炎症作用や鎮痛効果が欲しいときに使われますが、短期的に使用するのが望ましいです。
血圧を上げたり、興奮・発汗をさせるような作用があります。
狭心症や心筋梗塞などの循環器系疾患、高度腎障害、排尿障害、頻脈、心房細動を伴う甲状線機能亢進症(バセドウ病)の患者さんは症状を悪化させるおそれがあるので、麻黄を含む漢方薬の服用には注意が必要です。
また、ドーピング規約に引っ掛かるので、スポーツ選手の服用は特に注意です。
葛根湯に含まれていることでも有名です。
ドラッグストアなどで自分で購入することができるので、便利ですが成分もしっかり理解しておくことが重要ですね
薬剤師、漢方医に相談できると一番安全です。