自然毒 ウリ科編

ウリ科植物特有のステロイドの一種である、ククルビタシンを掘り下げます。
キュウリ、メロン、スイカなどのへたに近い部分に含まれます。
通常は含有量が少ないため苦味までは感じないです。
メロンやキュウリが苦い時には、このククルビタシンが多く含まれているということです。
一方で、ゴーヤには多く含まれ、加えて他の苦み成分であるモモルデシンも含まれているため、さらに強烈な苦味の元になっています。

40種類の種々のククルビタシンがあり自然に産生する。
これらの苦み成分は、昆虫の攻撃から植物を保護し、同時に昆虫のステロイドホルモンに拮抗作用し、それらの成長を阻害します。
また、特にククルビタシン B、D、EI、Qでは抗がん作用の研究が実施されています。
無害のウリ科植物は、無味、又は甘味があります。苦いキュウリなどは無理に食べないようにしましょう

市販されているヘチマやユウガオなどの一部に、まれにククルビタシンを多く産生するものが混じって流通することがあります。
自家栽培したものなどを苦味を我慢して食べたことによる食中毒事例(おう吐や下痢等)もあります。
異常に苦いものは、食べるのをやめましょう。
食中毒事例には、他にヒョウタンやズッキーニによるものもあります。
ちなみに、モモルデシンには食中毒を引き起こす毒性はないです。

食用のウリ科野菜・果物は、品種改良によりククルビタシン類がほとんど含まれなくなっていますが、ごくまれに、多く含むものが発生することがあります。
窒素を多く含んだ肥料を使うことによってもククルビタシンが増えることがわかっています。家庭菜園をやる人は肥料成分を意識してみると良いでしょう

ククルビタシンは水溶性成分です。
そのため水に浸けることで毒性分が水に溶け出し、苦味も取り除くことができます。
ですのでククルビタシンの解毒方法としては、水洗いや水に30分ほどさらしてアク抜きをすることが有効です。
またククルビタシンは熱に強いため、加熱調理で成分は抜けません。

生で食べる場合、一度水にさらしてからの方が安心ですね。

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