脳神経の1つ「嗅神経」

嗅神経

脊椎動物の嗅覚をつかさどる感覚神経。鼻粘膜分布する嗅細胞の神経線維。嗅細胞の粘膜側の突起の先端のふくらみから10本近い嗅線毛がのびていて、ここで受けとめた匂いの刺激が、神経線維によって大脳に伝えられ、匂いとして感じることができます。
嗅神経は頭部外傷で損傷を受けやすいです。

嗅覚は閾値が低く敏感な感覚ですが、匂いに対する順応(感受性の低下)は急速に起こります。新しい匂いはすぐに気づきますが、同じ匂いを嗅いでいると分からなくなるということです。強烈な匂いを嗅いだ場合、約1分ほど感受性がなくなります。
ただし、他の匂いは普通に分かり、逆に感受性が高まる場合もあります。
鼻腔は、上中下と三層になっていて、嗅細胞のある嗅上皮は、鼻腔の上部にあります。
通常、呼気と吸気は鼻腔の中部と下部を通り、上部にはほとんど外気が入らず、匂い物質は拡散によって達します。
匂いが分からなくなったとき、強く匂いを嗅ぐことで鼻腔上部に外気が入ると、嗅細胞が刺激され、再び匂いが分かるようになります。
また、匂いを感じる嗅細胞(嗅覚細胞)の数には生まれつき男女差があり、女性の嗅細胞は男性のおよそ1.5倍多いということです。女性は普段から匂いがする食品や化粧品に接することが多いため、知らないうちに鼻が訓練され、鼻が利くようになると考えられているようです。

匂いのもととなる「匂い分子」は、鼻から入ると、まず鼻の最上部にある嗅細胞とよばれる細胞に届きます。ここから先に異常があると嗅覚障害となります。

嗅覚障害

異常が生じる部位により
①匂いを感知する嗅細胞(嗅粘膜)に届かない「気導性嗅覚障害」
鼻の中の空気の流れが悪いと、匂い分子が嗅細胞まで届かず、「匂いがわからない」という症状が出ることがあります。治りにくい慢性副鼻腔炎では、鼻の中に鼻茸(鼻ポリープ)とよばれるキノコのようなものができて邪魔をし、匂い分子が嗅細胞まで届かなくなることがあります。
②匂いの神経(嗅細胞)がダメージを受けている「嗅神経性嗅覚障害」
風邪をひいて嗅細胞がウイルスに感染したときや、頭や顔にケガをしたときなどに嗅覚障害が出ることがあります。
③頭部の外傷や脳腫瘍などの病気が原因で匂いがしない「中枢性嗅覚障害」
匂いの情報が脳に伝わるまでの経路がダメージを受けていると、匂い分子が届いていても、「匂いがわからない」という症状が出ることがあります。頭にケガをしたときや、脳に疾患があるときなどに、嗅覚障害が出ることがあります。
の3つにわけられます。

鼻・顔・首肩・頭皮にマッサージ・鍼灸治療を施すことで血行改善、自律神経の興奮を抑えることで炎症の鎮静化を図ることで症状改善に近づけていきます。特に頭皮鍼で嗅神経にまつわる部位を治療すると効果が高いと感じます。

頭部外傷は必ず病院に行っていただきたいですが、お助けアイテム的に鍼灸治療を考えてもよいのではないでしょうか。

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