さまざまな食品から摂取できるビタミン「パントテン酸」
パントテン酸は補酵素の材料として、エネルギー代謝に関わっています。
もともと酵母の成長を促進する物質として発見されました。パントテン酸は、「至るところに存在する酸」という意味で命名されました。
パントテン酸は体内で活性化され、エネルギー産生の時に重要な役割を果たしている補酵素AやACPの成分となっています。
脂質や糖質の代謝で重要な役割を果たすほか、からだの中で起こるきわめて多くの酵素反応に関与しています。
パントテン酸は副腎皮質ホルモンの合成に関わっています。
副腎皮質ホルモンはストレスをやわらげる働きをするため、そのホルモンを合成するパントテン酸は「抗ストレスビタミン」ともいわれています。
ストレス過多の現代には必須なビタミンといえそうです。
パントテン酸は、食品中に広く含まれているほか、腸内細菌によっても作られ、体内に吸収されて、利用されるので通常の食事をしていればまず不足することはありません。
ただし、コーヒーなどのカフェインを含む飲み物やアルコールを多く摂取する人は、パントテン酸を多く消費、または吸収を阻害するので気を付けましょう。
酸、アルカリ(重曹など)の存在下では熱に弱いため、調理法には注意する必要があります。
ようするにシンプルな調理がよさそうです。
食品
〇動物性食材
レバー(特に鶏)、ブルーチーズ、牛乳、タラコ、鰻
〇植物性食材
納豆、シイタケ、ブロッコリー、サツマイモ、玄米、アボカド
不足すると
さまざまな食品に含まれているため、極端に食事量が少なくなるなどしない限り、不足することはほとんどないと考えられています。万が一パントテン酸が欠乏すると、細胞内の補酵素Aの濃度が低下するため、欠乏の初期症状として疲れやすくなったり、食欲がなくなったり、便秘になったりといった症状が見られます。
進行するとめまい、頭痛、動悸、不眠などが起こります。
過剰だと
過剰症については、パントテン酸単独での過剰症の報告例はありません。
通常の食事では上昇は見られませんが、サプリメントでの摂取には注意が必要です。
偏った食生活をせず、バランスよく食事をしましょう。
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